CPUクーラーにおける静音性のキーマンは,言うまでもなくファンです. ファンの回転数を下げることで高い静音性を得られますが,それには確実に温度上昇という代償が発生します. このため,より熱容量の大きいヒートシンクを用いて温度上昇を抑えることで,安心して静音性を得ることができます.
さて,私のようにCPUクーラーというものを重要視(溺愛)するようになると,大きいヒートシンクを用いることは至極当然となります. この状態で更なる静音性を求めようとする場合,弱いファンでもきちんとエアフローを確保できるかどうか,ということが重要になってきます.
一般的に言われるのが,フィンピッチがファン回転数依存性と関係するということです. すなわちフィンの間隔が広いほど,弱いファンでも冷え,逆にフィンの間隔が狭い場合はファンが強い場合にそのCPUクーラーの性能が発揮されるということになります.
この記事ではぷりぷりの所有するCPUクーラー全てのフィンピッチを測定し,他の研究結果と照らしあわして,その真相を探りたいと思います.
内容に関しては,ヒートシンクの性能のみを重視しているため,一般向けではありません. ファンを含めた一般的なレビューに関しては,データベースなどを参考にしてください. (一部製品に限り,ファンの型番などの紹介は行ないます)
フィンピッチを測定したCPUクーラーを以下の表1に示します.
| CPUクーラー名 | ||||||
| ANDY Cooler | BigTyphoon | CNPS8000 | Dominator | HR-01 | INFINITY | NINJA |
| NH-U12F | NPH-BIG775 | SI-120 | SI-128 | SQUARE | Tower120 | U8-120-1600 |
| Ultra-120 | Ultra-90 | XP-120 | XP-90C | |||
おまけとして,チップセットクーラーのHR-05も加えてみました.
CPUクーラーのフィンピッチをノギスで測定するだけ…というかんたんな作業です. ANDY CoolerとINFINITYに関してはIIFSを採用しており,部分によっては大きくフィンピッチが異なります. このため,この2つのCPUクーラーに関しては2箇所ずつ測定します. 測定箇所は基本的にヒートパイプに近い箇所です.ヒートパイプに近い位置の方が,フィンの固定が強く,曲がりにくいからです.
使用したノギスはシンワ製の測定範囲:150mm,測定間隔:0.05mmのステンレスノギスです. ヒロセテクニカルさんで一番安かったものです.
さすがというか,ファンレス用の忍者やHR-01が群を抜いています.
INFINITYとANDY Coolerに関しては,部分によってフィンピッチが異なるので,何とも言い難いものがあります. これだけ差があると,風の流速分布が大きくなるのではないかと思われます.
フィンピッチの傾向として,サイドフローが広く,トップフローが狭い.ということが言えると思います.
さて,ここで前回までの研究結果を示したいと思います.
皆さん,もう何が言いたいかはお分かりだと思います.
そう,フィンピッチが広いほど「DW Difference」が小さい,すなわちファンの回転数依存性が小さいという如実な結果になっているわけです.
無論,そのDWの差を絶対的なものとするならば,それは検量線などにより補正する必要があり,安易に受け入れてよいデータとは限りませんが,傾向としては
「フィンピッチが広いほど,ファンの回転数依存が小さい」
を証明するのに十分であると思います.
分かっていたこととはいえ,素直な相関を自分自身で確かめる事ができて,本当にすっきりしました. 次回の予定は,「新旧CPUクーラー 最強決定戦」です…が,年度が変わるまでにはやりたいな…と思っています.
今回の計測に用いたソフトウェアは全てフリーソフトウェアを使用しました.これほど便利なソフトウェアを公開していただいていることに感謝いたします.
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第2版 at 2007年2月22日 編集:ぷりぷり
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