CPUクーラー研究室

「geforceうち」のCPUクーラー・リサーチ ~ XIGMATEK HDT-S1283編 ~

1. はじめに

2007年初旬,このサイトの管理者であられる「ぷりぷり」さんが,「サイドフローCPUクーラー最強決定戦!!」などを企画され, 主な人気クーラーたちが紹介され試されてきましたが, このたび紹介するHDT-S1283ほかXIGMATEKの何機種かがなかなか紹介されない,なんでなんだろ, この「HDT-S1283」などなかなか良さそうジャン…と思っていたら,私の悪い癖で=,すぐ見つけて衝動買いしてしまいました. ならばと最大メーカーであるサイズの,国産最強と謳われる「無限」をまた手に入れ, オリジナルで改造した「KAMA CROSS・SIDEWINDER」も比較に加え,3機種の温度計測を行い, 対決を通して,HDT-S1283の実力をなんとこの研究室の場をお借りして!吟味できることとなりました.(感謝!)

内容に関しまして,その温度計測などは一般的な環境とは著しく異なり,単純にヒートシンクそのものの性能について焦点を当てています. そのため,一般的な使用環境とではかけ離れた結果になるかもしれませんので,ご承知いただきたく思います. (byぷりぷり)

2. HDT-S1283の紹介

HDT-S1283のディティールを,以下の写真たちを交えて,お伝えいたします.

3. 対決するCPUクーラー + 改造ギミック

それでは,実際今回対決するCPUクーラー達の選手紹介をいたしましょう.

3-1. 無限

「ぷりぷり的!!CPUクーラー 最強決定戦!!」では各種条件を与えてもらっても他のライバルに僅差で及びませんでしたが, それまでかと言えば,どうもこのクーラーは,ハードなオーバークロックをするような場面では定番となっているようで, 並外れたクロック数と高電圧設定のときに他を圧倒する性能を持つように見受けられました. したがって彼にも多少有利になるように今回は,やや高クロック設定で風量も多めに与える規準としました.果たしてその性能やいかに?

3-2. CROSS改-SIDEWINDER

ギミックの多いKAMA CROSSとしては何か変わったことをやってやろうと思い,サイドフロー化を思いつきました. 排圧が弱いので中に6cmFANを2ヶサンドイッチにしています. また,12cmファンでは下部のタコ足部分がスカスカなので想像以上にMB回りがよく冷えます. さて最新のハイエンド達に対しどこまで抗することが出来るのか??

表1. CPUクーラーのスペック比較表
CPUクーラー MUGEN (無限) KAMA CROSS改 SIDEWINDER HDT-S1283
エイリアス 無限(旧名:Infinity) 鎌ワロス ---
製造元 scythe scythe XIGMATEK
エアフロー サイドフロー ←(改造後) サイドフロー
付属ファン scythe SY1225SL12M(無限より) 改造済み ADDA AD1212HX7GBL
ファンワイヤー数 3本 改造済み 4本 Intel PWM
対応ファンサイズ 12cm 改造済み 12cm
対応ファン厚さ(まで) 25mm 改造済み 38mm(リブ無し)
ファン取り付け箇所 2(4) 2 1
同時ファン数 4 3 1
ファン場所 横・中央
ファンカバー なし あり なし
フィン素材 アルミ
フィンピッチ 3.40mm (IIFS:1.65mm) 1.45mm 2.20mm
ヒートパイプ数 φ6mm × 5本 φ6mm × 3本 φ8mm × 3本
ヒートパイプ係数*1 1.414E-04 0.848E-04 1.508E-04
ベース部接続 TIM TIM なし(HDT)
ベース部フィン あり なし
Socket478 リテンション ---
LGA775 リテンション
K8*2 リテンション
AM2(+) リテンション
バックプレート オプション
本体ロゴ scythe なし

*1 断面積[m2]とヒートパイプ数の積を示します. *2 Socket754/939/940の3種類のソケットを示します.

4. 試験方法および使用ウェア

4-1.試験方法

温度の測定を行なう上では環境温度に影響を受ける可能性が高いため,同じ日付のうちに一気に計測しました. CPUクーラーを装着,PCを起動,各種計測ソフトウェアおよび負荷ソフトを起動,負荷開始(10分間),スクショ, ファンの回転数変更,スクショ,写真撮影, 次のCPUクーラーの準備,負荷停止,ログ回収,ファンの交換,,, PC停止,CPUクーラーを交換…という手順を繰り返していきます.

4-2.使用ハードウェア,環境

以下の表2に今回計測に使用したPCのスペックを示します.また,使用したハードウェアおよび環境を表3に示します.

表2. 使用ハードウェア,環境
PC名 ”geforceうち 改造PC”
CPU Intel Core2 Duo E6750 0x6FB
CPU クロック 3.4GHz (425×8)に設定
CPU電圧 1.350Vに設定
EIST オフ
CPUクーラーファン XIGMATEK AD1212HX7GBL PWM対応
グリス ArcticSilver Arctic Silver 5 センターウンコ方式
マザーボード ASUS P5K-E/WIFI AP
チップセットクーラー デフォルト
グラフィックスカード TokyoStyle GeForce 7600GT OC
HDD HGST HDT722520DLAT30
ファン駆動方式 M/Bオンボード(12V駆動)
環境センサー そんなもん持ってません.
表3. 計測に用いたハードウェア,環境表
測定人 geforceうち (年齢?)
測定日時 2007年10月27日 (土曜日) 17:00~徹夜
試験場所 兵庫県神戸市内 朽ち果てかけ一戸建内
測定日天候 曇天
室温 24.0℃~26.0℃
デジタルスチルカメラ NIKON COOLPIX L3 三脚なし
表4.計測に用いたソフトウェア表
OS Windows VISTA
CPU負荷ソフト Tripcode Explorer v1.2.4 スレッド数2 標準割り当て
CPU温度計測ソフト(DTS) Core Temp Beta 0.95.4
CPU温度 グラフ化 Microsoft EXCEL 2003
CPU状態表示ソフト CPU-Z 1.41
マザーボード名表示ソフト CPU-Z 1.41
負荷率表示ソフト Windows標準のタスクマネージャ
画面キャプチャソフト Windows標準のペイント
タイマー Tripcode Explorer 内付属とめざまし時計

4-3. 試験方法に関する備考および補足

試験に用いたCPUはCore2 Duoですが,これはあまり消費電力が高くないため(=発熱が少ない), 細かい温度差を調べるために敢えてクロックと電圧を高めに設定しました. 各種クロックや電圧の設定は図10に示すデスクトップ画面を参考下さい. CPUを発熱させるための負荷ソフトは,統一された感のあるTripcode Explorer(TX)を用います.(ただし作者さまは発熱のためのソフトを開発したわけではない点に留意)

一方でCPUの温度の測定に関しては,校正済みマルチプルセンサーとして,IntelのDigital Thermal Sensor(or DTS)を使用します. このセンサーはコア内に複数設置されており,ホットポイントを高精度に取得することが可能とされています.これをTjunctionとして定めます. フロントエンドとしては,DTSのログ化も可能な「Core Temp」を使用しました. 負荷状況の温度履歴を見つつ,熱平衡に達した際のDTSの値,および室温を用いてCPUクーラーを評価します. グラフ化に関しては,ぷりぷりてんぷが利用できなかったため,MicrosoftのEXCEL2003を利用しました.

測定環境は,いわゆる”まないた”状態にて行ないました. マザーボードの箱の上にマザーボードを置き,その上で負荷を掛けて,温度履歴を見ていくという流れです. 今回はファンの回転数も高く,CPU用のファン以外は特にエアフローは与えません. ファンの吸気温度に関しては,重要なので壁に吊ってある気温計で逐次監視いたしました. 各種CPUクーラーにおいて,付属のファンが異なったりするもんで,全てのファンを統一し,12V(DutyRate100㌫)にて駆動します. これは”CPUクーラーのヒートシンクの性能のみを比較する”という趣旨に沿った結果です.

本計測においては,同一条件とすることと,より確実な固定方法を優先する意味から, すべてバックプレートの固定によることとした(ainex製 LGA775用 バックプレート BS-775使用). グリスももったいないかもしれないが(笑),Arctic Silver 5を惜しげもなく使用した.

表5. 本計測における各CPUクーラーの固定方法一覧
CPUクーラー クリップの対象 概要
MUGEN LGA775 AINEX BS-775
KAMA CROSS改 SIDEWINDER LGA775 AINEX BS-775
HDT-S1283 LGA775 AINEX BS-775

コンテンツ

CPUクーラー研究室