3月2日,これから新社会人になる前に,学生時代最後に,どうしてもレビューしたいクーラーがありました. それはOROCHI…巷は彼の噂でもちきりです. OROCHIはヒートパイプ10本,衝撃的な大きさを持った,見た目最強のCPUクーラーと言えるでしょう. 学生時代最後に計測するにふさわしい記念的スーパークーラーということで,やりがいも十分です. ということで,いつもの通りサクッと計測していきましょう!!
本計測は通常の利用法とは異なり,バラックにて計測を行います.また,クーラー付属のファンもほとんど使用しておりません. PC内における通常駆動とは明らかに異なる環境での試験であるため,本報告の内容が読者の皆様の環境に適応できるかは分かりません. あくまで参考程度にとどめて頂きたく思います.
OROCHIは見た目から判断すると,何の迷いもなく最高クラスのCPUクーラーであると断言できます. そこで,過去の計測から最高クラスの成績を収めてきたCPUクーラー達でなければ相手にならないであろうと判断し, 下記に挙げるCPUクーラーを比較対象として,同日中に温度比較を行いました. CPUクーラーの選択にはご不満もあるかと思いますが,なにとぞご容赦ください. (ホントはMaxOrbとNINJAとNINJA miniとWAVYも加えたかったのですが,寝坊したため無理と判断)
| CPUクーラー | SQUARE | SI-128 | Ultra-120 | U8-120-1600 | CNPS9700 | ANDY Cooler | OROCHI |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ニックネーム | - | - | - | - | - | 庵出異 | ワロチ |
| 製造元 | ZAWARD | Thermalright | Thermalright | Kolink Intl | Zalman | scythe | scythe |
| ヒートパイプ径 | 8mm | 8mm | 6mm | 6mm | 6mm | 6mm | 6mm |
| ヒートパイプ数 | 3 | 4 | 4 | 4 | 6 | 6 | 10 |
| ヒートパイプ係数 | 151 [mm^2] | 201 [mm^2] | 113 [mm^2] | 113 [mm^2] | 170 [mm^2] | 170 [mm^2] | 283 [mm^2] |
| フィンピッチ | 1.55mm | 1.25mm | 1.65mm | 2.20mm | 3.00mm(最外) 0.50mm(最内) |
2.80mm(IIFS) 1.20mm |
4.00mm |
| 対応ファン(フランジ) | 12cm | 12cm | 12cm | 12cm | 交換不可 | 12cm | 12cm |
| 対応ファン厚(まで) | 25mm | 38mm | 38mm | 38mm | 交換不可 | 12cm | 12cm |
| 付属ファンサイズ | 12cm (2400rpm) | - | - | 12cm (1600rpm) | 11cm (2800rpm) | 12cm (1200rpm) | 14cm (500rpm) |
| 付属ファン厚 | 25mm | - | - | 25mm | 25mm | 25mm | 25mm |
| CPUへの固定方法 | 標準装着 | Bolt-Thru-Kit | Bolt-Thru-Kit | Tower120のキット | 標準装着 | ソケット478式固定 | 標準装着 |
| 選択理由 | トップ最強 | トップ最強 | サイド最強 | サイド最強 | 初登場 | 人気No1 | 初登場 |
| 実売価格 | \5,500- | \5,500-(終息) | \7,000-(終息) | \5,000-(終息) | \7,000- | \4,000- | \7,000- |
図11に測定概念を示します. ある一定の熱負荷をCPUのコアに与え,平衡になった時のファンの吸気温度とコア温度との差を評価基準とします.
以下,計測に用いたPC,環境,ソフトウェア等を紹介いたします.
| PC名 | ”ぷりぷり 2008” |
|---|---|
| CPU | Intel Core2 Duo E6600 |
| CPUクロック | 3.0GHz (333×9)に設定 |
| CPU電圧 | 1.350Vに設定 |
| EIST | オフ |
| CPUクーラーファン | XINRUILIAN RDH1225B (12V/DR100%にて2400回転 12cm/25mm厚) |
| グリス | Thermalright社製のCPUクーラーに付属する普通のグリス - センターウンコ方式 |
| マザーボード | GIGABYTE GA-P35-DS3 Rev.1.0 F12 |
| チップセットクーラー | デフォルト |
| グラフィックスカード | GIGABYTE GV-NX86T256H |
| HDD | Western Digital WD360GD |
| ファンコントローラ | ZALMANの12V/5V分配キット scythe KamaMeter |
| 測定人 | ぷりぷり (24) |
|---|---|
| 測定日時 | 2008年3月2日 (日曜日) 14:30~26:00 |
| 計測場所 | 東京都新宿区 ボロアパート内 11階 |
| 測定日天候 | 晴天 |
| 室温 | 20.0℃~22.0℃ |
| デジタルスチルカメラ | NIKON COOLPIX L1 三脚なし |
| Tj温度のロガー | ぷりぷりてんぷ(ソフトウェアロガー) |
| Ta温度のロガー | ユニパルスさんのデータロガー with K型熱電対(坂口電熱; 約1mにカットして溶接) |
| 消費電力監視 | ワットチェッカー(システム) sanwa CL-33DC+安物DMM(CPU電源12Vライン) |
| CPU負荷ソフト | Tripcode Explorer v1.2.6 スレッド数2 標準割り当て (本来このソフトは負荷ソフトではございません!) |
|---|---|
| CPU温度計測&ロガー | ぷりぷりてんぷ 1.3.0.0 |
| CPU温度 グラフ化 | ぷりぷりてんぷグラフジェネレータ(PHP) |
| CPU状態表示ソフト | CPU-Z 1.44.1 |
| マザーボード名表示ソフト | CPU-Z 1.44.1 |
| 画像リサイザー | IrfanView 3.98 |
性能評価はCPUクーラー(ファン含む)の熱抵抗値の相関を取ることが基盤となっていますので,常に同一の負荷(ここではTXを用いる)を与えて熱流Q(ja)を一定にし,TaとTj間で熱平衡に達した時点で評価することにします. Tjの測定手法はIntelの危険防止・ファン制御用の目安となるDTSを用います.また,Taに関してはファンの上部にK型熱電対を配置し,外部のデータロガーにて1秒おきにログします. 発熱体はIntel Core2 Duo E6600 B2 (2.4GHz/1.325V)となります.とりあえずTjMaxを85℃として仮定し,その上でCPUコアの最大温度に換算後,環境温度Taを差し引いた値をDW(Difference Valueの独語)として評価指標とします. CPUの設定や計測環境等については以下の図を参考にしてください.まあ文章は無駄に長いですが,結局は今までと一緒です.
The local ambient temperature TA is the temperature of the ambient air surrounding the processor.
For a passive heatsink, TA is defined as the heatsink approaches air temperature; for an actively cooled heatsink, it is the temperature of inlet air to the active cooling fan.
TA is best measured by averaging temperature measurements at multiple locations in the heatsink inlet airflow.
This method helps reduce error and eliminate minor spatial variations in temperature.
上記の通り,Intelの資料にTambientを測定するなら,ファンの上3~8mm離して,4箇所くらい測定しろと書いてあります. 4箇所測定するのが面倒なので,今回は1箇所とさせてください.ファンの位置はいずれもファンの吸気前10mm程度の箇所となります. まったくIntelの資料どおりにやっていません…orz
実際のCPUを使った場合,コアの温度を測定する方法は内部のTDを利用するしかありません.絶対温度についてはアレですが,それ以外に問題になるのは,絶対誤差が温度によって変化することと考えられます. (例えばDTSが10℃のときの誤差は5℃,DTSが20℃のときの誤差は4℃…ってことが考えられるため,あまりにTambientに差があると「DW葬式会場」になってしまう) とまあそんな感じで憂いは断ち切れませんが,とにかくTambientをできるだけ一定に保つことで,比例誤差を少なく保ちたいと思います.
CPUに同じソフトで負荷を与えたからといって,CPUが毎回同じ発熱を出すのか…?という疑問を解決するために,今回はCPU電源への12Vライン上を流れる電流をクランプメータで監視します. また電源ユニットが消費する電力もワットチェッカーにて測定します(23氏の提供です,本当にありがとうございますm(_ _)m). なお,本計測中にリーク電流の変化が見れて楽しかった件につきましてはおまけコーナーに記載しております.
クランプメータ「CL-33DC」は30A範囲として設定します.出力電圧は10mV/1Aとされているので、DMMの表示(mVDC)の1/10をした値が電流値(A)となります. 例えば,表示計に50.0[mVDC]とあれば,電流値は5.0Aとなります. なお,非公式ですが,後継機(CL-22AD)と同様にAC電流も測定できるようです.手持ちのDMMがしょぼくて精度は分かりませんが…