図28に各条件におけるCPUクーラーのTjunction - Tambient値を示します. 値の小さいものほど,熱抵抗が小さく,冷却性能の優れたCPUクーラーであることを示します. (ここでは10分間で熱平衡に達したと仮定し,熱抵抗という言葉を用いていますが,グラフ中の上4つに関しては熱平衡には達していないので参考にはなりにくいです.)
本報告はOROCHIのレビューではあるものの,すべての製品に関して考察を行っていきたいと思います. 過去の計測では,そのほとんどが室温等を経時的に捉えておらず,また消費電力等も観察していないことから多くのミスが含まれていた可能性も否定できません. このことから,改めて本計測において各製品のレビューを行うこととします. しかし,過去の計測でも同様ですが,いずれのクーラーもかなりレベルの高い冷却能力であり, 優劣を決定する温度差は非常に微妙なものであって,読者の皆さんの環境次第で大きく変動すると思います. よって,冒頭にも述べましたとおり,あくまで参考程度に留めてください.
非常にハイレベルな製品たちを相手にしたということもあり,CPU温度に関してはSI-128やUltra-120に完敗したという結果になりました. 過去の計測では,SI-128と渡り歩く性能でしたが,固定の方法が変わったためか,よろしくない結果となってしまいました. ただ,周辺冷却能は前回示したとおり抜群であり,これは他のクーラーには真似できないことだと思います. 後継機種のDHTS搭載「SQUARE ADVANCE」が幻の製品となってしまったのは非常に残念ですが, 今後も似たような垂直デュアルファンの製品が登場してくれることを祈っております.
TIPS:終息気味で簡単には購入できません.ファンは1つしか同封されていません.
過去の計測でもトップフローでは最強の性能を誇っておりましたが,今回も期待に応えてくれました. 5V時での計測で環境温度を漏らしたのは痛いのですが,Core温度を見る限り,極端に性能が落ちるわけでもなく,名機といえると思います. 先駆者であるSI-120も名機でしたが,SI-128も非常に良い製品であると感じています. 後継機種にSI-128SEが登場していますが,おパイプ数や筐体サイズは変わっておらず,たいした性能アップはしていないと推察されます.
TIPS:完全終息品です.後継機種のSI-128SEをお求め下さい.(2008年3月4日現在,SI-128SEも販売終了となっております)
一時的にでも,この製品が2980円で投げ売られていたんですよね….今となっては少々信じがたいですね. 後継機種としておパイプ6本のUltra-120 eXtremeも存在しているということは,もはやサイドフロー最強の地位としては磐石と言えるのではないでしょうか. 12V/5V駆動どちらにおいても最高パフォーマンスを維持しており,OROCHIに対しても優勢に立っています. また,過去の計測でも常に1番手,2番手に入っており,その安定したパフォーマンスが垣間見られます. それにしても,おパイプ6本のeXtremeの性能はどれほどなのか…鼻血が吹き出そうです.もはや次のターゲットは決まりですね.
TIPS:完全終息品です.後継機種のUltra-120 eXtremeをお求め下さい.ただし,ベース部が甘いという話を見かけますのでご注意を.
間違いなく,本製品が最高の性能を収めるのであろうと,心の中で思っておりました. しかし,U8,彼は見事に僕を裏切ったのです…. 信じたくない結果,しかし現実はぷりぷりてんぷのログとして突き付けられたのです. 言い訳するとなると,毎回固定の際にU8に関しては付属品がないのでTower120の金具で固定していました. 毎回同じですが,緩いのです.動きます.ベース部は動かそうと思えば動くような状態です. 今回はたまたま固定が甘かったのか…それとも… まあ,それでもかなりのパフォーマンスであるに違いはありませんが…
TIPS:完全終息品です.代替機種であるNoctuaブランドのNH-U12F(P)をお求め下さい.ただし,結構高価です.
申し訳ありませんが,私はANDY Coolerが一番最低な結果を残すのであろうと,心のどこかで思っておりました. しかし予想に反して,ANDY Coolerはかなりの好成績を収めました. 冷却性能だけを見るという試験ではあるものの,ANDY Coolerの価格を考慮すると,コストパフォーマンスは凄まじいでしょう. 伊達に人気なわけではないようですね….
TIPS:バリバリ販売中です.さすが国内メーカーの力でしょうか….4000円程度と恐ろしくリーズナブルです.
新登場のCNPS9700.国内メディアさん(ASCIIさん)の計測では最高成績を収めており,かなり期待できる一品でした. 11cmファンの仕様上,単純比較はできませんが,2600rpm vs 12V, 1200rpm~1600rpm vs 5Vといった感じで比較すると Ultra-120やSI-128といったスーパークーラーには及ばないものの, いずれもSQUAREと同等の性能を有しており,性能の高さを示してくれました. 巨大なシリカゲル同封,ニッケルメッキでクールな見た目,ベース部鏡面仕様,派手なグリーンLEDといった感じに所有満足度は高いものの, CPU冷却のみを考えると,あえてこれを選ぶ必要もないんじゃないかな~とも思います. (ウリとなる周辺冷却に関しては後日の計測とさせていただきます)
TIPS:バリバリ販売中です.7000~8000円と高価なCPUクーラーですが,まあ品質良さそうですし,妥当な価格でしょうか.
本命の登場です.すでにグラフをごらんになって結果はお分かりかと思いますが,細かく考察していきたいと思います. ファン12V駆動時には,SI-128,Ultra-120についで3番手の成績,ファン5V駆動時にはUltra-120に続くなど好成績を収めました. フィンピッチが4mmと圧倒的に広く,ファンレス志向が強いな~といった印象を受けます. 一方,付属の14cmファンを使った場合は,ちょっと弱くなってしまいます.ヒートシンクの下に手を入れてもまったく風を感じませんでした. 正直,風量が少なすぎます.周辺冷却のことは完全に度外視しているように見受けられます. この辺を意識する人は確実に強めの12cmファンを用意してください.
TIPS:バリバリ販売中です.6000円前後とscytheさんのCPUクーラーにしては高めの設定ですが, その性能は同価格帯のThermalright製のクーラーと同等ですし,あるいはそれ以上に高価なクーラーよりも冷える場合もあります. ですが,重量や大きさ,取り扱いを考えると,環境や人を選ぶと思います.ベストセラーにはならないでしょうね…. 大きさのインパクトは凄いですが,冷却性能は単純には比例してくれないようです.
| CPUクーラー | SQUARE | SI-128 | Ultra-120 | U8-120-1600 | CNPS9700NT | ANDY Cooler | OROCHI |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| お勧めファン | 低×2 | 中~高 | 中~高 | 低~中 | - | 中~高 | 中~高 |
| LGA775取り付け | 工事現場あり | 楽 | 楽 | 工事現場あり | 工事現場あり | 楽 | 工事現場あり |
| 標準バックプレート | あり | なし | あり | あり | あり(プラスチック) | なし | あり(粘着) |
| 入手効率 | 悪 | 悪 | 悪 | 悪 | 良 | 良 | 良 |
| 代替品 | 無 | SI-128SE | Ultra-120 eXtreme | NH-U12F(P) | 現行品 | 現行品 | 現行品 |
| 目標価格(代替品) | \5,000- | \6,500- | \7,500- | \7,000- | \8,000- | \3,500- | \7,000- |
正直,大きさやヒートパイプ数に依存する冷却性能に関しては,飽和になりつつあるなということが明確になってしまったな~と思います. ヒートパイプの輸送能力はCPUの発熱部との接触面積に大きく関与すると思います. OROCHIのように2段ヒートパイプを入れても,低い温度帯(60℃前後)ではあまり意味はなさないのかもしれませんね. 今後のCPUも100Wクラスのものが多数控えているようですし,まだまだCPUクーラーの発展も必要とされると思います. ぜひ,今後とも各社,活発なCPUクーラーの開発争いを見せてほしいと思います. 何かとネタ不足になりつつあるようですが,真に性能アップに貢献する技術を開発・導入していってほしいと願います.
今回の計測に用いたソフトウェアは全てフリーソフトウェアを使用しました. またすばらしいCPUクーラーを開発・販売していただいおります,開発メーカーさん,販売メーカーさん,販売店舗さん,店員さん,提供してくださった方,すべての人に感謝いたします. 本当にありがとうございました!
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第1版 at 2008年3月6日 計測・編集:ぷりぷり
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