CPUクーラー研究室

ぷりぷり的!! サイドフローCPUクーラー 最強決定戦 2006 Winter

1.はじめに

 2006年11月になり,もう肌寒くある季節ですが,いまさらながらにしてCPUクーラーの比較を行ないました. 題名の通り,サイドフローCPUクーラーとして名高いもの達を集め,温度計測を行ないました. 以下,順に紹介し,温度計測から考察までレポート形式でお伝えしたいと思います.

 内容に関しては,ヒートシンクの性能のみを重視しているため,一般向けではありません. ファンを含めた一般的なレビューに関しては,データベースなどを参考にしてください. (一部製品に限り,ファンの型番などの紹介は行ないます)

2.選出したCPUクーラーの紹介

 選出したCPUクーラー達を以下の図1,図2に示します.

選出したCPUクーラー
図1. 選出したCPUクーラー

左からNPH-BIG775(大深海の音),Ultra-120,U8-120-1600,INFINITY,Tower120,NINJA.

斜めアングル
図2. 斜めアングル

上段左からINFINITY,Ultra-120,U8-120-1600,下段左からNPH-BIG775,Tower120,NINJA.

 これらのCPUクーラーを最強決定戦に選出した理由としては,これらのCPUクーラーが各種レビューなどでトップクラスの性能を叩き出すこと, 及びCPUクーラーの筐体が大きく,ヒートパイプ数も多く,主観的にとても冷えそうだと感じたからです. 今回は比較用に3つのトップフローCPUクーラーも織り交ぜました。これらを選んだ理由は特になく,筆者が持っていたからです. ただし,これらトップフローCPUクーラーについては,真におまけであることをご理解下さい.

計測したCPUクーラー達
図3. 計測したCPUクーラー達

今回は比較用に3つのトップフローCPUクーラーも参加します.

フィンの間隔
図4. フィンの間隔

NINJAがずば抜けています.より詳細に関しましては,以下の表1でご確認ください.

 ここでは選出したCPUクーラー達を以下の表1を用いて比較をしました.注意点として,ファンなどの型番および性能は時期によって変動する可能性があるということを,ご承知ください.

表1.CPUクーラーのスペック比較表
CPUクーラー NPH-BIG775 Ultra-120 U8-120-1600 INFINITY Tower120 NINJA
愛称 大深海の音 - - 無限 - 忍者
製造元 Thermal Transtech Thermal right Coolink scythe Tuniq scythe
エアフロー サイドフロー
付属ファン DF120 2512SLEN オプション VS12- 1600 AD1212 DS DFS1225 12M オプション*1
ファンワイヤー数 3 - 3 3 3+2 -
ファン電圧5V OK - OK OK OK -
ファンPWM No - No No No -
対応ファンサイズ 12cm
対応ファン厚さ 25mm 38mm 25mm
ファン取付箇所数 2 4 1 4
ファン数 2 1 2 2 1 2
ファン場所 内蔵
フィン素材 アルミ
フィンピッチ 2.20mm 1.65mm 2.20mm 3.50mm (IIFS)1.35mm 1.50mm 3.85mm
ヒートパイプ(HP)数 1本*2 4本 4本 5本 4本 6本
HP-ベース間 ダイレクト TIM TIM TIM TIM TIM
ベース部フィン なし あり なし あり
Socket478 - オプション ネジ留め VTMS ネジ留め リテンション
LGA775 ネジ留め VTMS ネジ留め ネジ留め/付属キット
K8*3 - ネジ留め VTMS ネジ留め ネジ留め/付属キット
AM2 - オプション - VTMS - - *4
バックプレート 非粘着 なし 非粘着 粘着*5
金属板押し当て - 「X」の字 小型2箇所 - 「H」の字 -
本体ロゴ - ”Thermal right” - ”scythe” ”Tuniq” -

*1 NINJA Plus以降ではファンが付属します.

*2 ”大深海の音”ではヒートコルムと称する金属柱が使用されています.

*3 Socket754/939/940の3種類のソケットを示します.

*4 NINJA Plus Rev.BからはAM2対応となりました.

*5 NINJA Plus Rev.Bからはバックプレート自体が付属しません.

3.試験方法および使用ウェア

3-1.試験方法

 温度の測定を行なう上では環境温度に影響を受ける可能性が高いため,同じ日付のうちに一気に計測しました. CPUクーラーを装着,PCを起動,各種計測ソフトウェアおよび負荷ソフトを起動,負荷開始(10分間),スクショ,ファンの回転数変更,スクショ,写真撮影, 次のCPUクーラーの準備,負荷停止,ログ回収,PC停止,CPUクーラーを交換…という手順を繰り返していきます. この間,負荷を終了する間際に室温をファンコントローラ付属の温度センサーにて計測し,写真に収めます. 全ての試験が終わり次第,ログファイルをグラフ化し,室温との差を温度上昇差として定め,レビューに移行します.

3-2.使用ハードウェア,環境

 以下の表2に今回計測に使用したPCのスペックを示します.また,使用したハードウェアおよび環境を表3に示します.

表2.計測に用いたPCのスペック表
PC名 ”ぷりぷり 2006” w
CPU Intel Core2 Duo E6600
CPUクロック 2.7GHz (300×9)に設定
CPU電圧 1.425Vに設定
EIST オフ(Windows側)
CPUクーラーファン scythe 白い鎌風の風120
グリス Thermalright社製のCPUクーラーに付属する普通のグリス - センターウンコ方式
マザーボード GIGABYTE GA-965P-DS3
チップセットクーラー Thermalright HR-05 SLI
グラフィックスカード Galaxy GeForce 7600GS-Z 2nd
HDD Western Digital WD360GD
ファンコントローラ Coolermaster AeroGateII
表3.計測に用いたハードウェア,環境表
測定人 ぷりぷり (23)
測定日時 2006年11月23日 (木曜日) 11:30~19:30
試験場所 東京都新宿区 ボロマンション内
測定日天候 曇り時々雨
室温 21.0℃~22.0℃
デジタルスチルカメラ NIKON COOLPIX L1 三脚なし

3-3.使用ソフトウェア

 以下の表4に今回計測に使用したソフトウェア各種を示します.

表4.計測に用いたソフトウェア表
CPU負荷ソフト Tripcode Explorer v1.2.3 スレッド数2 標準割り当て
CPU温度計測ソフト(DTS) Core Temp Beta 0.93
CPU温度計測ソフト SpeedFan 4.3
DTS温度 グラフ化 Core Temp Graph Generator(PHP)で,統一したグラフを作成
CPU状態表示ソフト CPU-Z 1.36
マザーボード名表示ソフト CPU-Z 1.36
負荷率表示ソフト Windows標準のタスクマネージャ
画面キャプチャソフト WinShot 1.53 デスクトップPNG出力
画像リサイザー IrfanView 3.98
タイマー Tripcode Explorer v1.2.3 内蔵

3-4.試験方法に関する備考および補足

 試験に用いたCPUはCore2 Duoですが,これはあまり消費電力が高くないため(=発熱が少ない),細かい温度差を調べるために敢えてクロックと電圧を高めに設定しました. 各種クロックや電圧の設定は図5に示すBIOS画面を参考下さい.また,ケース外で計測することにより周辺温度は下がり,温度差が大きくなることから優劣の判定が容易になります.
 室温の測定箇所は試験を行なう場所の近くに固定しました。(図6を参照) これをCoolermasterさんの”AeroGateII”というファンコンのサーミスタセンサーを用いて計測します.

 ファンコンの示すファンの回転数は,その起動時の上下関係のみ信用できるものとします.稀に本来の回転数とはかけ離れた値を示す事があります.

計測条件 BIOS画面
図5. 計測条件 BIOS画面

電圧は1.425Vに,CPUクロックは2.7GHzにしました.これで通常より発熱するはずです.

計測条件 室温計測箇所
図6. 計測条件 室温計測箇所

室温は適当な場所に固定して,計測しました.計測はケースの上で行ないます.

 負荷ソフトは,フォーラムで統一された感のあるTripcode Explorer(TX)を用います.Core2 Duoなどには最適なものとされており,実際に負荷も相当なもので,温度差をはっきりさせるには最適なものと判断しました.負荷条件は図7に示すとおりです.
 各種CPUクーラーにおいて,付属のファンが異なったり,付属していなかったりするため,全てのファンを統一しました. これは”CPUクーラーのヒートシンクの性能を比較する”という目的に沿ったものです.使用したファンは図8に示す”白い鎌風の風120”です.

室温計測箇所
図7. Tripcode Explorer

スレッド数は,当然ですが動作可能なCPU数を指定します.Core2 Duoの場合は2です.SSE2も使用します.他はいじりません.

”使用したファン”に関する画像
図8. 使用したファン

各計測に使用したCPUクーラーはこのファンに統一しました.scytheさんの”白い鎌風の風120”です.選んだ理由は白の光り方がカコイイからです.


コンテンツ
  1. はじめに,選出CPUクーラー,測定条件など
  2. INFINITY, NINJA, Tower120 のかんたんな紹介
  3. U8-120-1600, Ultra-120, NPH-BIG775 のかんたんな紹介
  4. XP-90C, ANDY Cooler, リテールクーラー のかんたんな紹介
  5. 結果,考察など
  6. おまけ

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