2007年2月末,花粉という悪魔が押し寄せる季節ですが,またまたCPUクーラーの比較を行ないました.
サイドフロー決定戦2006にて,
INFINITYやUltra-120にとっては不利な条件での計測だったことから,これに助け舟を出すべく,風量の多いファンを用いた計測を行なうこととしました.
その結果として,(INFINITY vs NINJA,Ultra-120 vs HR-01) vs U8-120-1600の仁義なき闘いが勃発しました.
いつもの通り,かんたんにCPUクーラーを紹介し,温度計測から考察までレポート形式でお伝えしたいと思います.
測定翌日に,U8-120-1600も追加試験を行ないました. 同じ日に計測という点に拘っている本研究室としては非常に遺憾ではありますが,今回はお許しいただきたい. なお,Tower120および大深海の音に関しては,38mmファンを固定できないという点で妥協しました. また,各種センサーを同じ箇所に設置することは不可能と判断し,U8-120-1600の測定では排気および吸気温度のみの温度表示となります.
内容に関しては,ヒートシンクの性能のみを重視しているため,一般向けではありません. ファンを含めた一般的なレビューに関しては,データベースなどを参考にしてください. (一部製品に限り,ファンの型番などの紹介は行ないます)
選出したCPUクーラー達を以下の図1,図2に示します.
ここでは選出したCPUクーラー達を以下の表1を用いて比較をしました.注意点として,ファンなどの型番および性能は時期によって変動する可能性があるということを,ご承知ください.
| CPUクーラー | INFINITY | Ultra-120 | NINJA | HR-01-K8 | U8-120-1600 |
|---|---|---|---|---|---|
| 愛称 | 無限 | - | 忍者 | - | - |
| 製造元 | scythe | Thermalright | scythe | Thermalright | Coolink |
| エアフロー | サイドフロー | ← | ← | ← | ← |
| 付属ファン | AD1212DS | オプション | オプション*1 | オプション | X12-1600 |
| ファンワイヤー数 | 3 | - | - | - | 3 |
| ファン電圧5V | OK | - | - | - | OK |
| ファンPWM | No | - | - | - | No |
| 対応ファンサイズ | 12cm | ← | ← | ← | ← |
| 対応ファン厚さ | 25mm | 38mm | 25mm | 38mm | 38mm |
| ファン取付箇所数 | 4 | 2 | 4 | 2 | 2 |
| ファン数 | 4 | 2 | ← | ← | ← |
| ファン場所 | サイド | ← | ← | ← | ← |
| フィン素材 | アルミ | ← | ← | ← | ← |
| フィンピッチ | 3.50mm (IIFS)1.35mm | 1.65mm | 3.85mm | 2.80mm | 2.20mm |
| ヒートパイプ(HP)数 | 5本 | 4本 | 6本 | 4本 | 4本 |
| HP-ベース間 | TIM | TIM | TIM | TIM | TIM |
| ベース部フィン | あり | なし | あり | なし | なし |
| Socket478 | VTMS | オプション | リテンション | オプション | ネジ留め |
| LGA775 | VTMS | ネジ留め | ネジ留め/付属キット | アンカー | ネジ留め |
| K8*2 | VTMS | ネジ留め/リテンション | ネジ留め/付属キット | リテンション | ネジ留め |
| AM2 | VTMS | オプション | - | オプション*3 | - |
| バックプレート | なし | 非粘着 | 粘着*4 | なし | 非粘着 |
| 金属板 | - | 「X」の字/長方形 | - | - | 小型金属数枚 |
| 本体ロゴ | scythe | Thermalright | - | - | - |
*1 NINJA Plus以降ではファンが付属します.
*2 Socket754/939/940の3種類のソケットを示します.
*3 NINJA Plus Rev.BからはAM2対応となりました.
*4 NINJA Plus Rev.Bからはバックプレート自体が付属しません.
温度の測定を行なう上では環境温度に影響を受ける可能性が高いため,同じ日付のうちに一気に計測しました. CPUクーラーを装着,PCを起動,各種計測ソフトウェアおよび負荷ソフトを起動,負荷開始(10分間),スクショ,写真撮影,ファンの回転数変更,スクショ,写真撮影, 負荷停止,ログ回収,PC停止,次のCPUクーラーの準備,CPUクーラーを交換…という手順を繰り返していきます. 全ての試験が終わり次第,ログファイルをグラフ化し,室温との差を温度上昇差(DW)として定め,レビューに移行します.
以下の表2に今回計測に使用したPCのスペックを示します.また,使用したハードウェアおよび環境を表3に示します.
| PC名 | ”ぷりぷり 2007” w |
|---|---|
| CPU | Intel Core2 Duo E6600 |
| CPUクロック | 3.0GHz (333×9)に設定 |
| CPU電圧 | 1.425Vに設定 |
| EIST | オフ(Windows側) |
| CPUクーラーファン | XINRUILIAN RDL1238S |
| グリス | Thermalright社製のCPUクーラーに付属する普通のグリス - センターウンコ方式 |
| マザーボード | GIGABYTE GA-965P-DS3 |
| チップセットクーラー | Thermalright HR-05 SLI ファンレス |
| グラフィックスカード | Galaxy GeForce 7600GS-Z 2nd |
| HDD | Western Digital WD360GD |
| ファンコントローラ1 | Coolermaster AeroGateII |
| ファンコントローラ2 | scythe Kame Meter |
| 測定人 | ぷりぷり (23) |
|---|---|
| 測定日時 | 2007年2月24日 (土曜日) 16:00~20:30 |
| 試験場所 | 東京都新宿区 ボロマンション内 |
| 測定日天候 | 晴天 |
| 室温 | 19.0℃~22.0℃ |
| デジタルスチルカメラ | NIKON COOLPIX L1 三脚なし |
以下の表4に今回計測に使用したソフトウェア各種を示します.
| CPU負荷ソフト | Tripcode Explorer v1.2.3 スレッド数2 標準割り当て |
|---|---|
| CPU温度計測&ロガー | ぷりぷりてんぷ 1.0.1.1 |
| CPU温度計測ソフト(DTS) | Core Temp Beta 0.93 |
| CPU温度計測ソフト(IT8718F) | SpeedFan 4.3 |
| CPU温度 グラフ化 | ぷりぷりてんぷグラフジェネレータ(PHP) |
| CPU状態表示ソフト | CPU-Z 1.38 |
| マザーボード名表示ソフト | CPU-Z 1.38 |
| メモリー状態表示ソフト | CPU-Z 1.38 |
| 負荷率表示ソフト | Windows標準のタスクマネージャ |
| 画面キャプチャソフト | WinShot 1.53 デスクトップPNG出力 |
| 画像リサイザー | IrfanView 3.98 |
| タイマー | Tripcode Explorer v1.2.3 内蔵 |
試験に用いたCPUはCore2 Duoですが,これはあまり消費電力が高くないため(=発熱が少ない),細かい温度差を調べるために敢えてクロックと電圧を高めに設定しました.
各種クロックや電圧の設定は図3,4に示すBIOS画面を参考下さい.また,ケース外で計測することにより周辺温度は下がり,温度差が大きくなることから優劣の判定が容易になります.
さらにヒートパイプの向きの違いによる不安を払拭するべく,いわゆる”まないた”状態にて計測を行ないます.
各種温度センサー(8ch)は,図5に示す箇所に設置しました.
これをCoolermasterさんの”AeroGateII”および,scytheさんの”Kama Meter”付属の温度センサーで表示します.
(本当は写真にあるTP-101で拾うはずでしたが,USBケーブルを大学に置き忘れてしまい,代わりがなかったので妥協しました.しかもあまり正確じゃないかもしれません)
| 機種 | ID | 概要 | 分解能 |
|---|---|---|---|
| AeroGate II | "CPU" | ファン吸気温度 | 0.5℃ |
| AeroGate II | "VGA" | ファン排気温度 | 0.5℃ |
| AeroGate II | "HDD" | 12V側コンデンサ頭(日ケミPSCコン) | 0.5℃ |
| AeroGate II | "CASE" | IO側コンデンサ頭(三洋OSコン) | 0.5℃ |
| Kama Meter | I | 12V側MOSFET | 0.1℃ |
| Kama Meter | II | IO側MOSFET | 0.1℃ |
| Kama Meter | III | Slot1 メモリヒートシンク表面温度 | 0.1℃ |
| Kama Meter | IV | チップセット横(HR-05下) | 0.1℃ |
負荷ソフトは,フォーラムで統一された感のあるTripcode Explorer(TX)を用います.
Core2 Duoなどには最適なものとされており,実際に負荷も相当なもので,温度差をはっきりさせるには最適なものと判断しました.
各種CPUクーラーにおいて,付属のファンが異なったり,付属していなかったりするため,全てのファンを統一しました.
これは”CPUクーラーのヒートシンクの性能を比較する”という目的に沿ったものです.使用したファンは図7に示すRDL1238Sです.
これは以前までの計測で使用したファンとは一線を画すほどの風量をもたらします.
そのため,前回のサイドフロー最強決定戦とは大きく異なる結果を生み出すかもしれません.